コード進行のお勉強ノート

コード進行を度数(ディグリー)にして自己学習中。

帰れない二人/ 井上陽水&忌野清志郎

この曲のコード進行を分析する日がようやくきました。ヒット曲「心もよう(1973年)」のB面、ミリオンセラー・アルバム「氷の世界(1973年)」に収録。忌野清志郎さんの曲「指輪をはめたい」を聞いて、陽水さんが「いい曲だけど、この歌詞じゃ、絶対売れないよね」といって、1番の歌詞を井上陽水さんが作り、それに続けて、2番を忌野清志郎さんが作ったそうですから、作曲は、主に忌野清志郎さん。イントロは、当時流行していたニールヤングの影響を受けたそうですが、コード進行は、I-I7-IV-IVmで、Bass音を、I-VIIb-VI-VIbと順次低下。Beatlesの「マジカルミステリーツアー(1967年)」や「ディア・プルーデンス(1968年)」、歌謡曲の「Sweet memories(1983年)」でも出てくるコード進行です。Aメロは、順次下降のカノン進行ぽい、ダイアトニックコード主体の進行ですから、イントロとは雰囲気が変わります。Bメロでは、IV-IΔ7, IIm7-IΔ7というサブドミナント-トニックの進行が3回繰り返され、I(Δ7)→II→Vという進行も2回出てきますが、2回とも、Vの後に、Iには、戻らないため、「帰れない」雰囲気です。2回目のVの後はV#dimという不安定な響きのコードを挟んで、サビは、マイナーコード(VIm)に進行。IIIも出てくるので、平行調短調への転調ともとれそうです。IIIの後に、VImには進まず、IIm7やIVに進行しているところも、帰れない雰囲気と合致しています。イントロのコード進行に戻る時も、IV-V-Iではなく、IV-VIb-Iと、ひとひねりです。
 ドミナントの後に、トニックに戻らずに、サブドミナントなどに進行させるところ、II, III, VIb, (V#dim)などのノンダイアトニック・コードの使用も、Beatlesの影響を、受けているような気がします。

イントロ:(I I7/VIIb)( IV IVm) repeat ×2
Aメロ:
(I IΔ7) (VIm VIm7) ( IV V7) I ,
(I IΔ7) (VIm VIm7) (IV IIIm) VIm,

Bメロ:
IV IΔ7 ( IV IV/III ),
IIm7 IΔ7 ( I II ) V,
IIm7 IΔ7 II (V V#dim)
サビ:
(VIm III) IIm7 (IV III) ( IV VIb)

I I7/VIIb IV IVm, ×2

帰れない二人 / 井上陽水 ギターコード/ウクレレコード/ピアノコード - U-フレット

「帰れない二人」 井上陽水 (ギターコード / ピアノコード) | 楽器.me

井上陽水忌野清志郎
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誕生秘話:
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「指輪をはめたい」
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帰れない二人

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